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魂の落書き 〜おでんまちのひ 店主の日記〜

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クローズド・ノート 雫井脩介

世の中がどんなにくさりきってしまっても、本屋にいけば最高の友達に出逢えます。

こんにちは。チョーひさしぶりに「みっちーの本棚」の時間がやってきました~

前回の「みっちーの本棚」が2月18日だったから、5カ月ぶりになるのかあ。けっこう本読んでたんだけどね、感想を書く気力がなかったっていうか。まあ、いろいろあったからね、この5カ月の間は。

もっともその「いろいろあった」5カ月の中で、本を読む時間ってのは数少ない心のいやしだったね。やっぱり読書ってのはいいなって感じたね、あらためて。

さて、雑談はこれくらいにして本の紹介にいこうか。

これだ。



雫井脩介著「クローズド・ノート」だ。

いつものように、概要を文庫本の裏表紙から紹介しよう。


堀井香恵は、文具店のあるばいとと音楽サークルの活動に勤しむ、ごく普通の大学生だ。何か物足りない思いを抱えたまま日々を過ごしていた彼女は、ある日、自室のクローゼットで、前の住人が置き忘れたと思しきノートを見つける。そのノートが開かれたとき、香恵の平凡な日常は大きく変りはじめるのだった。――小さな偶然が導く運命的な出会い。憧れと共感。読み終えた後も温かい余韻がいつまでも醒めない、極上の感動作。


 読み終えた後も温かい余韻がいつまでも醒めない、極上の感動作……

うん、そのとおりだね。さっき読み終えたばかりなのだが、まだ余韻からさめていないから。極上の感動作……。その言葉にも賛同できる。

ひさびさに泣いたね。

読みはじめから、何となく物語の流れみたいなのは見えちゃうんだけど、現にレビューなんかを見るとそのあたりを酷評している人もいるんだけど、ぼくはそれをふまえてもいい本だと思った。きれいな物語だなって思った。

この奇跡的な物語を、どんな感じに完結させるんだろう、と思いながら読んだんだけど、考えられるかぎり最高のラストだった。

情景描写もしっかりしてるから、読んでいてその場面がくっきりと浮かんだ。キャラもちゃんとたってたし。

読みながら、これドラマにしたらいいんじゃねえか、って思った。映画よりドラマ。映画じゃ短すぎる。これだけの小説なら、最低でも10話くらい、うだうだした時間も含めてやってほしい。月9でもいけんじゃねえの?

……なんて思っていたら、これすでに映画化されてたんだね。どうりで何か聞いたことあるタイトルだと思ったよ。しかもその映画って、当時世間を騒がせた沢尻エリカの「べつに」発言のアレだって……

何か、ちょっと幻滅かな。

配役が、イメージとちがいすぎだし。主人公の香恵だけじゃなく、他の登場人物も、全部。

あくまでぼくのイメージとは、って話だから。映画観て、よかった、って感じた人もたくさんいると思うしね。苦情のコメントは受けつけないよ。

まあ、ぼくは観ないけどね、映画の方は。いや、あえて観てみようかな。どっちだっていいや。

ちなみに雫井脩介の本は、最近になってほかにもいろいろ読んでて、あっ、この人いい、って思ってたところだった。で、今、図書館で借りまくっている最中なのだ。「銀色の絆」「つばさものがたり」「火の粉」「虚貌」。どれもすごくよかった。作家の名前だけで片っぱしから本を読むってのはひさしぶりだ。東野圭吾以来かな。まだまだ著作があるようなので、ちょっと楽しみだ。

で、この「クローズド・ノート」は、ぼくが読んだ雫井作品の5冊目。マイベストと呼べるかどうかは微妙なところ(「つばさものがたり」と「火の粉」もよかったから)だが、5カ月ぶりにブログで取り上げようと思ったくらいだから、すごくおもしろかったってのはわかってもらえると思う。

ネタバレ厳禁な物語なので、あえて感想は控えさせてもらいます。ぜひ、読んでみて!


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オレの宇宙はまだまだ遠い 益田ミリ

世の中がどんなにくさりきってしまっても、本屋にいけば最高の友達に出逢えます。

こんにちは。超(×100)ひさかたぶりに、みっちーの本棚の時間がやってきましたよ~

さてさて、そんなひさかたぶりの本棚から取りだしますのは、これ。



益田ミリ著『オレの宇宙はまだまだ遠い』 だ。

どんな本かというと、ズバリ漫画だ。エッセイ漫画というのだろうか、192ページのソフトカバーの本に6ページほどの短編がいくつもつまっている。

参照→益田ミリ最新刊 『オレの宇宙はまだまだ遠い』

簡単に説明すると、32歳書店員土田君(独身)の日常を描いた漫画だ。何も特別ではない、平凡な主人公の平凡な人生。なのに読んでいてぐっとくる。

いや、そうじゃないな。

土田君は平凡なんかじゃない。世間一般でいわれている「平凡」の定義に当てはまっているだけだ。読んでいくうちに、すごくあたたかみのある個性的な人間であるとわかってくる。

そもそも「平凡」な人間なんてこの世に存在しないのではないか。こうした「平凡」といわれがちな青年を主人公にした物語を読むたびそう思う。誰もが人生の主人公なんだなあ、と。

そして、そんな主人公の言動や思いに共感するぼくも、きっと一般的には「平凡」の定義にあてはまったタイプの人間なのだ。何も特別ではなくて、だけど自分の人生においては主人公である、その程度の人間なのだ、たぶん……

ちょっぴり寂しいけど……

さて、そんなぼくが土田君に最も共感した場面がある。

世間が給料日で、いつもより客が多い店でレジ打ちしながら、心の中で入社当時を振り返る場面だ。


  毎月、給料日は
  
  書店がいつもより
  込むことを、入社して
  初めて知ったとき
  
  オレ、

  感動したんだよな

  給料日に本を買いに寄る
  
  コツコツと地道に
  働いている大人が

  こんなにたくさん
  いるんだって

  なんかすげえ
  いいなあって泣きそうに
  なったんだよなあ



ああ、と読んでいて胸が熱くなった。

ぼくも勤めているおでん屋で、店がやたらとこんで、その日が世間の給料日だと気づくと、まったく同じように感じて泣きそうになる。

ああ、この人たち、1カ月がんばったんだなあ、って。生活のためにいやなことにも耐えて、毎日コツコツと働いてきたんだなあ、って。

それを思うとたまらなくなって、1人ひとりに「お疲れさまでした」と声をかけたくなるのだ。どうぞ今夜はゆっくり楽しんでいってください、って。

ちなみにこの場面は、上のリンクのページに無料試し読みとして載っているから、ぜひ読んでみてほしい。第3話「正社員」にあるから。

ほかにも共感できる場面が満載だった。

素朴だけど、心があったかくなって、オレもがんばろう、って思える本だ。

みなさんにもぜひ読んでみてほしい。

ではまた(^o^)丿



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陽だまりの彼女 越谷オサム
 
 

陽だまりの彼女 越谷オサム

世の中がどんなにくさりきってしまっても、本屋にいけば最高の友達に出逢えます。

こんにちは。超ひさしぶりに「道下森の本棚」の時間がやってきました(^o^)丿

さてさて、超ひさしぶりではあるけど、それについての言い訳やら何やらはせず、とっとと本の紹介にいきましょう。今日紹介する本はこちら。



越谷オサム著「陽だまりの彼女」だ。

まずは裏表紙の内容。

幼馴染みと十年ぶりに再会した僕。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。でも彼女、俺には計り知れない過去を抱えているようで―その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる!誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさもすべてつまった完全無欠の恋愛小説。


この本は、本屋の平積みの棚に「女の子が男の子に読んでほしいNo.1小説」のコピーで売られていた。

そのコピーを目にしたぼくは、「ふうん……、べつにどうだっていいけど……」とスルーしつつ、内心ではかなり気になり、他の本を物色しながらも「女の子が男の子に読んでほしい、って、どんな本だ……?」と頭の中がそればっかりになった。

そして、

そして、

意を決して購入した……

……わけではなく、図書館で借りた^_^; (本屋さん、毎度毎度ごめんなさい)

予約して、かなりの期間待って、先日ようやく手にできた。

で、読んだ。

こ、これは……

表紙のほのぼのとした感じや、裏表紙の内容から、何となくライトノベルっぽい物語だろうと予想していた。

ところが読んでると、かなりちゃんとした小説であることがわかった。
文体もリズム感があって読みやすいし、情景描写もしっかりと表現されているし、会話にも実体がある。(上から目線の評価ですみません)

そして何より、主人公の浩介にも、彼女(後に奥さん)の真緒にも、100%感情移入できる。じつはぼくにとってはこれが一番重要で、その本がいいかわるいかは、ほとんどこのポイントで決まるといっていい。

こんなやついねえよ、とか、こいつ何かいやなやつじゃねえ? とか、ちらっとでも思ってしまったら、その本はもうぼくの心の中のゴミ箱に捨てられるのだ。※作者が意図的にいやなやつを描いた本はこのかぎりではない。

この本の主人公たちはいやなやつではなかった。むしろ愛すべき人物だった。
だから、2人に幸せになってもらいたいと強く願いながら、本を読みつづけた。

それが物語の後半になると、不吉な場面がちらほらと出はじめた。何となく、哀しい展開へと流れがかわりはじめたのだ。

おいおい、ふざけんなよ……

ぼくは不安を抱えつつ、その不安を解消したくて睡眠時間を削って読みつづけた。だが読めば読むほど、不安は増大していく。

これってもしかして、いわゆる彼女が病気だったっていうあのパターンか……?

いやいや、それだけは勘弁してほしい。だけどこれはもうまちがいない……

そう確信し、さらに読んでいく。そしてついにすべての謎がとけ、物語は完結する。

これ以上はネタバレになるので、以下、読書中ぼくの心の声を聴きつつ、どんなものかを想像してほしい。



えええっ?

何? うそおっ?

えええっ?

マジかあっ?

そうだったんかあっ?

えっ、でも、だって……

あっ、ホントだ……

だけど、じゃあ、あれは?

あっ、そうか……

じゃあ何?

えええっ?

マジで?

えええっ?

せつなすぎだろ!

うわっ、マジ、これ、くるよお……

きたわ……

……

……

涙……

……



……ってな感じだ。

読む人によって、ハッピーエンドとも取れるし、そうではないとも取れる。

ぼくは、ただただせつなくなった。読み終わってしばらくしても、そのせつなさは消えずに残った。

だけどまあ、ものすごくいい本だったのはまちがいなくいえる。

ぜひ、読んでほしい。

読めば必ずせつなくなる。そして、必ず再読したくなる。これこそが、この本の特徴だ。
ぼくも今、ふたたび読み返している最中だ。2度目は、せつなさが倍以上になって胸に迫る。マジでせつなくなる。

ちなみにこの本、今年の新潮文庫の100冊に選ばれた。

新潮文庫、やるじゃん(^_-)



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超訳 ニーチェの言葉②

世の中がどんなにくさりきってしまっても、本屋にいけば最高の友達に出逢えます。
こんにちは。道下森の本棚の時間がやってきました(^o^)丿

さて、今日は以前に紹介した本をふたたび紹介したい。

この本だ。



超訳 ニーチェの言葉 だ。

以前に紹介したときの記事はこっち→超訳 ニーチェの言葉

この記事にも書いたように、この本、かなりの良書だ。
だから今回、もう一度この本について書こうと思った。

座右の書、というのだろうか、文字どおりぼくは、この本をいつも手元に置いている。で、毎朝、仕事に出かける前に読むのだ。

この本は1ページにつき一項目ずつ、ニーチェが語った言葉を紹介している。それが全部で232ある。かなりの数だ。ぼくはその言葉を、毎朝一つずつ読んでいる。

そしてそれを1日のテーマにする。

たとえば、この本の1ページ目、最初の言葉は、


  初めの一歩は自分への尊敬から

 自分はたいしたことがない人間だなんて思ってはならない。それは、
自分の行動や考え方をがんじがらめに縛ってしまうようなことだからだ。
 そうではなく、最初に自分を尊敬することから始めよう。まだ何もし
ていない自分を、まだ実績のない自分を、人間として尊敬するんだ。
 自分を尊敬すれば、悪いことなんてできなくなる。人間として軽蔑さ
れるような行為をしなくなるものだ。
 そういうふうに生き方が変わって、理想に近い自分、他の人も見習い
たくなるような人間になっていくことができる。
 それは自分の可能性を大きく開拓し、それをなしとげるにふさわしい
力を与えることになる。自分の人生をまっとうさせるために、まずは自
分を尊敬しよう。



こんな言葉だ。

それを朝に読んだなら、その日は1日そのことだけに意識を集中させる。
そして実際そのとおりに生きてみる。つまり、この言葉にあるように、自分自身を尊敬するのだ。

自分を尊敬する、というと、むずかしいかもしれない。だから逆に考えて、自分を尊敬している人、または自分にあこがれている人を想像するのだ。仕事やプライベートの後輩でもいいし、そういう人がいなかったら、高校時代、中学時代にまでさかのぼってもいい。きっとそんな人が1人や2人いたはずだ。その当時つきあっていた恋人でもいい。とにかくその人が自分を見たとき、幻滅しない行動を取ることを意識して、その日一日をすごすのだ。

真剣に、本気で、それをする。

一瞬一瞬、すべて逃さず自分の行動を見張るのだ。

そうしてみると、たしかにニーチェが語るように、人間として軽蔑されるような行為をしなくなるものだ

行為だけじゃない。もし自分が置かれている現状がひどく情けないものなら、それをかえる努力をはじめようと考える。今の自分の姿を見たら、きっと幻滅されるだろう。そう考え、努力をはじめるのだ。

そうやって1日をすごしたら、翌日は次のページの言葉を読み、実践する。

ちなみに2ページ目の言葉は、こんな感じ。


   自分の評判など気にするな

 誰だって、他人から自分がどう思われているか知りたいものだ。よく
思われていたいし、少しは立派だと思われたいものだし、大切な人間の
部類に入れてほしいものだ。だからといって、自分への評価を気にする
ばかりに、聞き耳を立てるのはよくない。
 なぜなら、人間というのは間違った評価をされるのがふつうのことだ
からだ。自分が思うように、自分が望むように評価してくれることなん
かほとんどない。そういうのとは全然ちがう評価をされてるのがまった
くふつうだからだ。だから、腹を立てないためには、自分の評判や評価
など気にしてはいけない。他人がどう思っているかなんてことに関心を
向けては絶対にいけない。そうでないと、本当は嫌われているのに、部
長だの社長だの先生だのと呼ばれることに一種の快感や安心を覚えるよ
うな人間になってしまう。



そうか、人の評価なんて気にしなくていいのか……

……そう理解し、その日はそれを意識して行動する。やってみると、今までいかに自分が人の評価を気にしていたかがわかる。そこから離れると、何と生き方が楽になることか!


そうやって毎朝一つ、ニーチェの言葉を読み、心と頭にしみこませ、1日をとおして実践する。

で、232ページ目の言葉にたどりついたら、翌日はまた1ページ目に戻る。

そう、ふたたび「自分自身を尊敬する」のだ。

同じ言葉でも、半年以上経った後に読むと、またちがった印象を受けるものだ。あるいはすでにその言葉が身体にしみついて、習慣になっているかもしれない。いや、そうなっているべきなのだ。そうなりたいために、ぼくはこの本を、毎朝読んでいるのだ。

もっとも、232ある言葉のすべてが教訓めいたものとはかぎらない。だから実践しようがない言葉もある。だけど、そんな言葉にも、必ず何らかの意味はあるはずだ。その意味をよく考えて、行動すればいい。

このやり方で「超訳 ニーチェの言葉」を読みはじめて、今はもう二巡目に入った。二巡目も終わり、三巡目、四巡目に入っても、ずっと読みつづけるつもりでいる。くり返し、くり返し読み、言葉を自分のものにしていく。何年でも、何歳になろうとも。

自分がどのように成長していくか、楽しみだ。

ちなみに今朝読んだ言葉は、


  いつかは死ぬのだから

 死ぬのは決まっているのだから、ほがらかにやっていこう。
 いつかは終わるのだから、全力で向かっていこう。
 時間は限られているのだから、チャンスはいつも今だ。
 嘆きわめくことなんか、オペラの役者にまかせておけ。



こんな言葉だった。



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ゴールデンラッキービートルの伝説 水沢秋生

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さて、ひさかたぶりになってしまった言い訳ははぶき、さっそく本題にいってみよう。今日、紹介する本は、これ。





水沢秋生著「ゴールデンラッキービートルの伝説」 だ。

まずは内容から。

フツーの小学六年生だった俺。“未来に夢を抱く”ことなんて諦めていた。あいつらと出会うまでは―ジュンペイとヨータの秘密基地には、「ゴールデンラッキービートルの伝説」と名付けた廃車のワーゲンがある。ある日ヨータは、ジュンペイがウサギ殺しの犯人と疑うクラスメートの女子・ヒナが、そのビートルから何かを持ち出すのを目撃する。河原に向かったヒナが手にしていたのは、挙銃だった…。少年少女の一瞬の友情を描く、希望にみちた青春小説。第7回新潮エンターテインメント大賞受賞作。

「BOOK」データベースより


何となしに手に取った本だ。

表紙の絵の空が真っ黄色で、その空をビートル(フォルクスワーゲン)が飛んでて……

それが妙に心に引っかかり、何となく手に取った。


「ある現在」と称された物語の冒頭は、ぼんやりと形をなしていない。語りべは、老いた小学校の先生であることが何となくわかる。その男性教師が、新聞にのった元教え子を見つけ、当時を懐かしむ。

そこから先、現在と過去をいききしながら物語は進んでいく。語りべが、めまぐるしくかわりながら。

その語りべは、みんな同じ6年3組の児童だった男女なのだが、「現在」を語る多くの男女はこの物語においては脇役であり、物語のスパイスにすぎない。物語は、あくまで小学校時代の出来事からはじまっていき、その中心にあるのは、3人の児童、ジュンペイとヨータとヒナだ。だから過去を語る語りべは、この3人だけとなる。そして、物語全体のまとめ役として、当時の担任の要先生、物語の冒頭で「現在」を語っていた老教師(むろん、物語の中心である「過去」では、まだ若い)がいる。この4人で物語は成り立っている。

ジュンペイとヨータ、2人の少年の友情に、ある事情から転校をくり返す少女ヒナが加わる。その中心にあるのは、ゴールデンラッキービートルという秘密基地だ。

おお、秘密基地!

ぼくも小学生のとき、友達とつくった。秘密基地。この秘密という部分が、友情をはぐくむのだ。おれたちだけがこの基地に入ることができる、ほかのやつは入れさせない、おれたちだけの秘密……

仲間はずれとは微妙にちがくて、何というか、単なる遊び仲間ではない、特別な友情の表現方法というか……

ううん、今こうして活字にしてみると仲間はずれにつながる感じがするけど、あの頃はそういう感じじゃなくて、はじめてできた本当の友達の証しというか……

まあいいや。そういうこむずかしいことじゃなく、単純にわくわくするんだ。そう、秘密基地にはわくわく感があった。

この物語の3人も、その秘密基地で友情をはぐくんでいく。3人だけが共有する秘密が、かれらをかけがえのない仲間にかえていくのだ。その感じが、読んでいてびんびん伝わってくる。

やがて3人に別れのときがやってくる。

ヒナがまた転校してしまうのだ。



子どもにとって、別れはつきものだ。親の都合、学区の問題、そして時間、さまざまな要因が、子どもたちを散り散りにしてしまう。

ぼくも小学5年生のときに転校したから、別れがつきものであることは痛いほどにわかる。大人の都合で、最高に仲がよかった友達と離れ離れになってしまう、理不尽な別れ。ずっとずっと友達でいようと、別れ際に約束したものだった。

けれどもいずれは、その友達とはもう2度と自分の人生でまじわることがないのだと気づく。そう気づいたときには、自分はもはやべつの世界に身をおいている。そして、そこにはべつの仲間がいるのだ。



ヒナの転校につづき、ジュンペイとヨータにも別れのときがくる。中学のときヨータが転校したのだ。しばらくは手紙のやり取りがあったようだが、その後いろいろあって、連絡が取れなくなった。

3人は散り散りになった。

そして時間が流れ、かれらは大人になる。記憶の中に小学6年生のときの仲間の姿はあるが、そこに実態はない。記憶だけだ。

よくある話だ。

だけどこの物語にはつづきがある。

そこで物語が、冒頭の場面に戻る。

老教師となった、要先生が新聞にのった元教え子を見つけ、当時を懐かしむ場面に。

そして……



ラストシーンの奇跡は、胸がつまってしかたなかった。涙もこぼれた。ぼくは仕事に出かける前のひとときに読んだのだが、しばらく物語の世界から離れられず、遅刻しそうになったくらいだ。

マジでよかった。

これはおすすめです。みなさん、ぜひ手に取ってください。





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やがて笛が鳴り、僕らの青春は終わる 三田誠広
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吉田類の酒場放浪記


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