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魂の落書き 〜おでんまちのひ 店主の日記〜

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旅について 遊びについて 夢について 人生観について 本について 愛用品について ありったけの思いを語ります

 

波乗りをつづけていくということ

今週も海にいった。

勝浦の部原ポイント。波はヒザ~モモで小さく、コンディションはよくなかったが、2時間半、思いっきり波乗りを楽しんだ。

季節も夏に入り、おでん屋もオフシーズンを迎えたことでスケジュールもだいぶ楽になった。早朝からのセミナーハウスの仕事も、新しい人が入って何とか週2日休めるようになった。身体も楽になったし、自由な時間が増えたから心にも余裕ができた。

海には毎週いっている。

山は今はご無沙汰だ。千葉に住むぼくにとって、登山できるような山にいくためには少なくとも片道3時間半の移動を要する。朝一の列車に乗って出かけても、帰りは夜になる。翌日、朝3時半に起きることを考えたら、どうしても二の足を踏んでしまう。

その点、海はいい。千葉の自宅から、近いポイントなら1時間、一番好きな部原でも1時間半あればつく。昼すぎに家を出て、午後の2時間を波乗りにあてても、夕方には帰宅することができるのだ。

だから今は、オフの時間は海と決めている。

もっとも、それだけが理由ではない。単純に波乗りは楽しいし、それに前にも書いたけど、海の中で波と格闘している間は何もかも忘れられる。

そして何より、波乗りをしているかぎり過去とつながっていられるのだ。17歳、高校2年の夏、はじめてサーフボードを抱えて海に向かったあの頃と。

ぼくの人生において、最も長くつづけているもの、それが波乗りだ。だから何というか、うまく言葉にできないけど、波乗りをつづけているかぎり、ぼくは永遠にあの頃とつながっていられる、17歳の自分をアルバムの中にしまいこまずにいられる、そう思うのだ。

今ぼくは自分の店を出すために修業中の身だ。本当なら、もっと料理の勉強をしなくてはならないし、また軍資金をためるためにもっと稼がなきゃならない。休みの日に遊んでいる暇など、本当はないのかもしれない。

だけど、ぼくは海にいく。きっと来週も、再来週も。

店を持つという目標と同じくらい、たいせつにしたいものだから。


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仕事の後の波乗り~海にきたからこそ手にできるもの

昨日(4/19木)、仕事が終わってから、波乗りをしに勝浦に出かけた。

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1人欠勤者が出たため仕事がめちゃくちゃきつく、終業の頃は身体がへばっていた。本来なら波乗りどころじゃなく、むしろサウナにでもいって疲労を取った方がいいくらいの感じだった。午後の2時半、これから車を飛ばして外房まで出向き、波と格闘するなんて、正気の沙汰ではなかった。

迷ったあげく、いくことにした。いくかいかないか迷ったときに投げる心の中のコインは、いつだって表しか出ない。ぼくのコインに裏はない。

車で1時間半、勝浦の「部原」についた。時刻は4時になっていた。急いでウェットスーツに着替え、6時すぎまで波乗りした。

波はまあまあよかった。その割に人があまりいなくて、中級レベルのぼくでもけっこうな数の波に乗ることができた。そのうちの何本かは自分でも納得できるライディングで、長いブランクの穴を埋めるきっかけになりそうな、そんな予感がした。

きてよかった、と心から思った。

仕事というのは「日常」だから、避けられないしがらみなどに押しつぶされて、どうしても心がぐちゃぐちゃに乱れる。だから人間には「非日常」が必要なのだと思う。そこでバランスを取り、どうにかこうにか生きていく。

だからぼくは忙しい中でも、週に一度は海にくる(ホントはもっときたいのだが)。今週は2度ある休日がどちらも予定で埋まっていたので、こうして仕事が終わってから車を飛ばして海にきたのだ。仕事が早朝にはじまって午後の早い時間で終わるからこそ、できる芸当なのだが。

だけど、ジンクスではないが、ぼくはたいてい仕事が終わってからの波乗りで何かをつかむようだ。休日にゆとりをもって波乗りするときよりも、仕事で疲れた身体でする波乗りの方に、大きな手ごたえを感じるのだ。この日もひさしぶりにフローター(波乗りの技の一つ)が決まったし、何となくブランク前の感覚を取り戻せた気がした。



思えば、生まれてはじめてテイクオフして横にすべれたのも、休日ではなく、普通の日だった。仕事が終わった後ではなく、学校が終わってからだったが。

まだぼくが高校生の頃の話だ。学校が半ドンだったある11月の日、ぼくは学ランのまま外房線の列車で海に直行した。当時ぼくは太東の海沿いにあった某サーフシップにウェットスーツとサーフボードを置かせてもらっていて、自宅からは手ぶらで海に向かっていたのだ。

3時頃に太東駅につき、ショップまで走り(太東駅は海から2キロ以上離れている)、板を抱えてポイントに向かった。その日の太東の波のサイズはカタ(肩くらいの高さ)で、まだ波乗りをはじめて半年くらいのぼくにはやや大きかった。だが今日こそ乗ってやる、と気合を入れて沖に向かった。その頃は一応サーフボードの上に立つことはできたが、それは単に「立てる」というだけだった。波乗りにおいて「波に乗る」というのは、サーフボードの上に立ち、なおかつその板で波を横にすべることを意味するのだ。

夏休みの間、くる日もくる日も練習し、それでも横にすべれずにいたぼくは、ああ自分には才能がないんだ、と思いかけていた。波に乗れない波乗りほどつまらないスポーツはなく、夏休みが終わって2学期の半ばに差しかかる頃には、海にいくのが憂鬱になっていた。だからその日も本当は海になんかきたくなかった。わざわざ列車に乗って海にまできて、それでまたつまらない思いをするくらいなら、仲間と一緒にわいわいすごす方がどれだけ楽しいか。その日も仲間から麻雀に誘われていた。楽しそうだな、と心がぐらっと傾いたものだった。

だけど海にきた。そして……。

その瞬間がきたのだ。そう、波に乗ったのだ。テイクオフからボトムターン、ぼくとぼくを乗せたサーフボードが、すうっと風を切って真横にすべった。

うおおおおっ、と心の中で叫んだ。全身が熱くなった。やった、やったぞ、と、ぼくは人目も気にせず右手のこぶしを何度も顔の前でかためた。

あのとき誘惑に負けて麻雀をやっていたら、その瞬間はおとずれなかった。もしかしたら麻雀に勝っていくらかの金を手にしていたかもしれないが、そんなものは、生まれてはじめて「横にすべった」経験に比べたら鼻くそみたいなものだ。

あの日、あの瞬間、全身で感じたあの熱さは、数十年経った今もはっきりとおぼえている。ぼくの波乗り人生の中で、最も輝いた瞬間だった。

そして、それは海に向かったからこそ手にできた瞬間なのだ。

だから……

いつだってぼくは、いくかいかないかで迷ったら、いくことに決めている。どんなに疲れていても。べつの誘惑が目の前にあっても。



来週も、ぼくには2日間の休日がある。2日間とも予定で埋まっている。波乗り以外の予定だ。つまり、波乗りにいくなら、また仕事を終えてから、ということになる。

正直きつい。仕事は肉体労働で、ただでさえ動きっぱなしなのに加えて、会社の経営悪化にともなう1日あたりの人員削減で、1人にかかる負担が増大している。さらにうちの職場は無断欠勤常習者が3人もいて、そのうちの1人でも穴を開けた日には、冗談ではなく、草サッカー3試合分くらいの運動量になるのだ。

その後に、遠路はるばる波乗りしにいくのは、二日酔いの日に、都心まで出かけて大宴会に参加するようなものだ。

だけどぼくはいく。

どんなに疲れていても。どんな誘惑が目の前にあっても。

そこで手にするだろうものの大きさを、知っているから。



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春の訪れ~房総丘陵編

勝浦へ、波乗りにいってきた。

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勝浦はぼくが一番好きな海だ。20代の頃、いずれは勝浦に住むというのがぼくの夢だった。だがその夢もいつの間にか消えた。仕事のこともあるし、老いた母のこともある。すぐに実家にいける場所に住む必要があった。

実家は千葉市の南部、千葉港から少し内陸に入ったところにある。ぼくのアパートもその辺だ。だから勝浦の海にいくには、ちょうど房総半島を横断する形になる。

1時間半の道のり。これが意外にも気に入っている。

フロントガラスに映る風景に、季節を感じられるからだ。

そして今日、春を感じた。

明らかに、春がきた、と確信した。

先週は、春がくる、と感じた。まだ完全にきてはいないが、もうすぐくる、と。

そして1週間経って、春がきた。

おりしも今日、東京でソメイヨシノが満開した、と運転中のラジオが報じていた。その言葉どおり、房総の桜も見事な花を見せていた。県花でもある菜の花も、真っ黄色なじゅうたんと化している。

だがそんな花々の開花より、ぼくの心を春の訪れでいっぱいにしたのは、田んぼだった。田んぼに、水が張られていたのだ。

毎年その光景を見ると、ぼくは、ああ春がきたんだ、としみじみ感じる。

今年も春がきた。



ところで、今日の波乗りは……

部原ポイントで、午後の2時~5時まで。サイズはコシ~ハラ。たまにセットで形いい波がくるものの、全体的にはやや物足りなかった。

それと皮肉なことに、往路の道中で、春がきたと確信したこの日の海は、ものすごく冷たかった。先週きたときはもうブーツなどはかずにできたのに、今日はブーツはおろか、グローブも必要なほどだった。ローカルたちも、今日はマジで冷たい、と泣き顔を見せていた。

海から上がり、車の後部トランクでウエットスーツを脱ぐ。

そのすぐ近くで、ローカルたちが談笑していた。しばらくしてかれらは、じゃあまた明日、と手を振り、ウエットスーツのまま車に乗りこみ、帰路についた。

その光景を、ちょっぴりうらやましく思った。本当なら、ぼくも……、とつい考えてしまう。

だけど、それは仕方ないことだ。

自分が置かれた状況を悲嘆していては何もはじまらない。その状況の中で、楽しむ術を見つければいい。

ぼくは家路についた。

夕暮れに染まる房総丘陵の風景に、春を感じながら。



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御宿の海、春のおとずれ

昨日(16日)は仕事が休みだった。

これといって用事もないので、いつものように車にサーフボードを積んで海に出かけた。行き先は勝浦方面。そこの部原ポイントは、ぼくが一番好きな海だ。

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この日の波のサイズはムネくらいで、まあまあ形はよかった。だが人が多かった。しかも、かなりのレベルのサーファーが何人もいた。

いつもなら、負けてたまるか、と気合いを入れて挑むのだが、この日は気が乗らなかった。闘争心がわいてこないのだ。(やらない人が見たらサーフィンは優雅でのんびりしたイメージがあるかもしれないけど、実際は一つの波を大勢が奪い合う、激しいスポーツなのだ)

で、べつのポイントをチェックした。

まずは御宿の漁港ポイント。

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おっ、サーファーの数が三人だけ。ただ波が小さすぎる。ヒザくらいの小波。しかも数が少ない。

ふたたび移動。同じく御宿の岩和田ポイント。

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ううん、ここも小さい。だけど漁港よりはましだ。人はそこそこ多いけど、波数が多いから、ポジションを選べば奪い合うことなく乗れそうだ。

……というわけで、岩和田に入った。波のサイズはヒザ~コシ。ちょっと退屈しそう……

……と思ったら、まあまあ遊べる波も入ってきた。

わるくない(^^♪

わるくないぜ(^^♪

乗り放題だぜ(^^♪

うひょひょ~(^^♪

そんなこんなで、午後1時から夕方4時半まで、たっぷり3時間半も遊んでしまった。

海から上がると、くたくただった。

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それにしても日が長くなった。ちょっと前まで、4時半っていったらもう暗かったのに、今はまだ西日がまぶしい。それに水温も高かった。グローブもブーツなしでも、身体はちっとも冷えなかった。

春がきたんだ、と、ちょっと嬉しくなる。

そういえば、海までの道中、菜の花をちらほら見かけたっけ。

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桜よりも、ぼくは菜の花を見て春のおとずれを感じる。一番好きな花は? と訊かれたら、迷わず菜の花と答えている。千葉県の県花だし。

たぶん来週は、一面真っ黄色になるくらいに咲き乱れているだろう。

運転しながら季節の移りかわりを感じるのも、毎週の海がよいの楽しみの一つだ。

来週、ヤバいくらいの黄色い風景を、みなさんにお見せできたら、と思う。

(以前は写真嫌いだったのに、最近は写真にたよりすぎてるなあ)



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今日の波乗りについて、または大山千枚田の話

今日は鴨川にいってきた。大山千枚田を見にいくためだ。

大山千枚田とは、嶺岡の山並みのふもと、面積約4ヘクタールの急傾斜地に階段のように連なる大小375枚の田んぼだ。

国道410線を南下し、鴨川保田線を右折すると、やがて「大山千枚田」の看板が見える。そこを入っていくと、目を見張るような棚田が見えてくるのだ。

こんな感じの棚田だ。

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べつの角度から。

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さらに。

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この棚田はオーナー制度をとっている。会費は一区画100平米で年間3万円(飯米確保型は4万円)。興味があるので、一度見ておこうと思ったのだ。


こんなふうに区切られている。

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棚田の視察を終えると、鴨川の海に向かった。「マルキ」にいい波がきているとの情報。

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たしかにカタくらいの波がガンガン入っている。形もわるくない。ただいかんせん人が多かった。40人近いサーファーが、たった1つのポイントブレイクの波を奪い合っているのだ。波がわれるポイントがいくつかあるならいいのだが、今日は1カ所だけだ。

時間は2時。ここで入ろうかとも思ったが、まだ時間はあるので勝浦の部原に移動することにした。ここから30キロ弱北へいった場所だ。

部原についた。

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うわー、波ねえじゃん……、と思ったら、たま~に、ホントにたま~に、モモ~コシくらいのセットが入ってくる。どうにか遊べそうだ。人が2人しかいないのもよかった。

で、夕方まで入った。波数はやはり少なかったものの、人が少なく乗り放題だった。部原で入ったのは正解だったと思う。

永遠に波に乗っていたかったが、日が沈んできたので、海から上がった。

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この日が今年最後の完全オフだった。明日から来年1月2日まで、怒涛の17連続勤務がはじまる。



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