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魂の落書き 〜おでんまちのひ 店主の日記〜

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オレの宇宙はまだまだ遠い 益田ミリ

世の中がどんなにくさりきってしまっても、本屋にいけば最高の友達に出逢えます。

こんにちは。超(×100)ひさかたぶりに、みっちーの本棚の時間がやってきましたよ~

さてさて、そんなひさかたぶりの本棚から取りだしますのは、これ。



益田ミリ著『オレの宇宙はまだまだ遠い』 だ。

どんな本かというと、ズバリ漫画だ。エッセイ漫画というのだろうか、192ページのソフトカバーの本に6ページほどの短編がいくつもつまっている。

参照→益田ミリ最新刊 『オレの宇宙はまだまだ遠い』

簡単に説明すると、32歳書店員土田君(独身)の日常を描いた漫画だ。何も特別ではない、平凡な主人公の平凡な人生。なのに読んでいてぐっとくる。

いや、そうじゃないな。

土田君は平凡なんかじゃない。世間一般でいわれている「平凡」の定義に当てはまっているだけだ。読んでいくうちに、すごくあたたかみのある個性的な人間であるとわかってくる。

そもそも「平凡」な人間なんてこの世に存在しないのではないか。こうした「平凡」といわれがちな青年を主人公にした物語を読むたびそう思う。誰もが人生の主人公なんだなあ、と。

そして、そんな主人公の言動や思いに共感するぼくも、きっと一般的には「平凡」の定義にあてはまったタイプの人間なのだ。何も特別ではなくて、だけど自分の人生においては主人公である、その程度の人間なのだ、たぶん……

ちょっぴり寂しいけど……

さて、そんなぼくが土田君に最も共感した場面がある。

世間が給料日で、いつもより客が多い店でレジ打ちしながら、心の中で入社当時を振り返る場面だ。


  毎月、給料日は
  
  書店がいつもより
  込むことを、入社して
  初めて知ったとき
  
  オレ、

  感動したんだよな

  給料日に本を買いに寄る
  
  コツコツと地道に
  働いている大人が

  こんなにたくさん
  いるんだって

  なんかすげえ
  いいなあって泣きそうに
  なったんだよなあ



ああ、と読んでいて胸が熱くなった。

ぼくも勤めているおでん屋で、店がやたらとこんで、その日が世間の給料日だと気づくと、まったく同じように感じて泣きそうになる。

ああ、この人たち、1カ月がんばったんだなあ、って。生活のためにいやなことにも耐えて、毎日コツコツと働いてきたんだなあ、って。

それを思うとたまらなくなって、1人ひとりに「お疲れさまでした」と声をかけたくなるのだ。どうぞ今夜はゆっくり楽しんでいってください、って。

ちなみにこの場面は、上のリンクのページに無料試し読みとして載っているから、ぜひ読んでみてほしい。第3話「正社員」にあるから。

ほかにも共感できる場面が満載だった。

素朴だけど、心があったかくなって、オレもがんばろう、って思える本だ。

みなさんにもぜひ読んでみてほしい。

ではまた(^o^)丿



今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。よかったら、今までに紹介した「道下森の本棚」も、ぜひご覧になってください。

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オリジナルワンな生き方 ヒュー・マクラウド
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吉田類の酒場放浪記
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