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魂の落書き 〜おでんまちのひ 店主の日記〜

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天国はまだ遠く 瀬尾まいこ

世の中がどんなにくさりきってしまっても、本屋にいけば最高の友達に出逢えます。

こんにちは。今週も「道下森の本棚」の時間がやってきました(^O^)/

さて、今週紹介するのは、これ。

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瀬尾まいこ著「天国はまだ遠く」だ。

では、毎度恒例の裏表紙の概要をどうぞ。


  仕事も人間関係もうまくいかず、毎
  日辛くて息が詰りそう。23歳の千鶴
  は、会社を辞めて死ぬつもりだった。
  辿り着いた山奥の民宿で、睡眠薬を
  飲むのだが死に切れなかった。自殺
  を諦めた彼女は、民宿の田村さんの
  大雑把な優しさに癒されていく。大
  らかな村人や大自然に囲まれた充足
  した日々。だが千鶴は気づいてしま
  う、自分の居場所がここにないこと
  に。心にしみる清爽な旅立ちの物語。



瀬尾まいこさんの小説はどれも好きだが、この作品はとりわけ秀逸だ。

登場人物は少なく、そのほとんどが端役で、物語の大半は、主人公の千鶴と民宿の田村さんの2人のやり取りで展開していく。

これがいいのだ。

じつにいい雰囲気なのだ。

千鶴は繊細で気が弱いと自分で思いこんでいて、実際にそうなのだが、ラストで田村さんが語るように、えらい率直で、適当にわがままで、気楽な人だ。

一方、田村さんはものすごく大雑把で、それでいてどこか繊細な一面を匂わす。

この2人が、相手の性格や気質、行動などに、「ええっ?」と軽く圧倒される。その連続。そうしてお互いが何となくひかれ合っていく。

その感じが、じつにうまく描かれている。

背景の、山奥の自然もいい。リゾートっぽい場所でないところもいい。本物の自然というか田舎というか。たとえば鶏を絞め殺すシーンがあったり、30分も車で走れば町があったり。

都会からきた千鶴が、住人たちに大歓迎されたり人気者になったり、そんな感じがないのもいい。適度に受け入れられ、適度に放置され、適度に突き放される。そこもリアルだ。

たいてい、こういうテーマを描いた連続ドラマなどでは、必ず主人公がヒーローというかヒロインというか、いつのまにかその土地になくてはならない存在になっていくものだが……

で、肝心のストーリーだが、それはいつものように、読んでくれ、というしかない。そして自分なりの感想を持ってほしい。

結局、2人は互いのことをどう思っていたのか、恋愛感情に発展したのか?

そういうことをとやかく考えるのもやめたい。野暮だ。そういう物語ではないのだ。もっと深く、もっと意味があって、そしてさりげない物語なのだ。

ちなみにこの「天国はまだ遠く」は映画化もされている。この紹介記事を書く前に、DVDで観てみた。

わるくない映画だったと思う。

だけど、ちょっと恋愛を感じさせすぎたり、民宿の田村さんのキャラクター設定をこりすぎたり(背景に原作にない付加がある)、そこがちょっといやだったが、それなりにいい映画だったと思う。

だが、その後にふたたび原作を読むと、どうにも千鶴と田村さんの背後に加藤ローサとチュートリアルの徳井がちらついてしまい、以前読んだときほどのよさが奪われてしまった。(映画を観る分には、2人の演技はわるくなかった。けっこういい感じにはまっていた)

やっぱりぼくは、映画の持つ画像の美しさより、小説の持つ無限の広がりが好きなんだなあと、あらためて感じた。

ともあれ、「天国はまだ遠く」、まだ読んでいない人はぜひ読んでみて。

映画もおすすめしますよ。



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