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魂の落書き 〜おでんまちのひ 店主の日記〜

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物の価格について思うこと~東京スカイツリータウンの事業概要決定

東武鉄道が、7日、東京・押上(墨田区)に建設中の東京スカイツリーを来年5月22日に開業すると発表した。

ちなみに入場券は、第1展望台(350メートル)までは大人2000円、中高生1500円、小学生900円、幼児(4~5歳)600円。第2展望台(地上450メートル)までは、大人1000円、中高生800円、小学生500円、幼児300円が加算されるという。※エレベーターに待たずに乗れる日時指定券はさらに500円追加となる。


この決定について、ちまたの反応は、やはり「高えっ!」だ。

ぼくはもともとスカイツリーに何の興味もなかったので、高いとも安いとも感じない。「ふーん、そんなもんかもな……」というのが、率直な感想だ。

こんなことを書くとまた何かいわれそうだが、むしろそれくらいの料金の方が「混雑が避けられていいんじゃねえの?」とも思う。

いや、たぶん、それでも混雑は避けられないだろう。結局は、高いと思いつつも、「一度は行かないとな」と考える人は多いと思う。

つまり、決して「高い」料金ではないのだ。

高いけど行く。それはその料金がその行為に見合うと、その本人が判断しているのだから。

「ものの価値」とはそういうものだと思う。

「とりあえず一度は(世界一高い建物に)行っとかないと」という考えがあるから、2000円、ないし3000円はらって、スカイツリーにいく。

それはその料金をはらう価値があると認めたということなのだ。

たしかに一般論として、たかが建造物の展望台に上るだけで3000円は高いだろう。上った人のほとんどは「ぼられた」と感じるのではないか。おそらくリピーターはこないんじゃないかと思う。そういう意味での3000円は、適正価格といえないかもしれない。

だけど、そこに「世界一高い~」という付加価値があるのだ。「世界一高い建造物に上った」という事実に、人はお金をはらう。

だから、上る気がない人が「ぼってる」と口にするのはいいけど、上った人が「ぼられた」というのはスジちがいだ。

高いと思うなら行かなきゃいいんだから。



以前、ぼくは建築現場で資材の搬入の仕事をしていた。「荷揚げ屋」と呼ばれる仕事で、現場で働く職人にかわって、かれらが使う資材(石膏ボードや材木、フローリング材など)を運ぶのだ。その料金は、当然、職人の手間賃から引かれるのだが、それについてグダグダいってくる職人が少なくなかった。「高い」というのだ。

中には、仕事を終えてあいさつにいくたび、いつも愚痴ってくる職人もいた。あんまりくどいので、一度「だったら自分で運べばいいじゃないですか」といい返した。そうすれば、手間賃を引かれずにすむでしょう、と。

するとその職人は「いや、俺、腰やっちゃってるからよお、重いもん運びたくねえんだよ。腕も張っちゃって仕事にならなくなるしよ。だったらその間、仕事進めてた方がいいべ」といった。

だから、つまりそれは荷揚げ屋が必要だということじゃないですか! と、その後ぼくがいい返したかどうかは昔のことだから忘れた(たぶん、一応お客さんだから言葉をのみこんだと思う)。だけど、こいつ馬鹿か、と思ったことだけははっきりとおぼえている。

その料金が高いと思うなら頼まずに自分でやればいいし、それがいやで頼むなら、それはその料金分の価値を、我々の仕事(荷揚げ)に認めたということではないか。



話がそれたが、物の価格というのはそういうものだと思う。

高いと思うなら買わなきゃ(はらわなきゃ)いいのだし、それでも必要で買うなら(はらうなら)、それはそれが適正価格だということなのだ。入場料でも、商品でも、仕事の外注でも、みんな同じだ。

だからこの東京スカイツリーの入場料についても、高いと思うなら行かなきゃいいし、それでも行くんだというなら、それはその価格に納得したのだと考えなくてはいけない。


もちろん、東武鉄道も、その料金に見合うサービスを、「世界一~」という付加価値以外にも提供した方がいいとは思うけど。3000円の入場料でも、リピートする人がいるなら、それはもう本物だ。




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