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魂の落書き 〜おでんまちのひ 店主の日記〜

魂の落書き 〜おでんまちのひ 店主の日記〜

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厚揚げカルビ、山かけ、きんぴらごぼう、そして、みっちーのおでん

先日、実家に帰り、おでんをつくった。

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この3カ月、店でいやというほどおでんと向き合っていたが、自分でつくるのはひさしぶりだ。それに今は店が休業中だから(休業して1週間だが)、おでん自体が「よおよお、ひさしぶりだなあっ」って感じだ。

今回はちょっと気合入れて、将来店を出すときをイメージして、修業先の店のおでんの味を出してみた。

〇〇コンブと削り節でだしをとって、しょうゆと△△と☆☆で味をつけ…… ※企業秘密です。

まずは下ゆでした大根や卵、コンニャク、チクワブ、タケノコ、サトイモ、厚揚げなどを入れる。

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味見をしながら、たっぷり1時間。
ううん、店の味に近づけてはいるけど、どこかちがうなあ……

1時間経ったら、しばらくおいておく。その間に、味がしみていくから。
で、晩飯の時間の20~30分前に練り物を入れる。

ちなみに店ではもっと時間をかける。ぼくも店を出すときは、もっと時間をかけて煮こむつもりだ。おでん屋にとって、おでん種がどれだけ味がしみているかが命だから。それと汁の味、この二つが命となる。

ふたたび味見。う~ん、練り物の味が出て、ちょっとだけうまみが増した……かな?

テーブルにのせて、いただきます~

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うん、わるくないな。いい感じにしみてるし。だけどおでん汁はもうちょっといい味に仕上げないと。じゅうぶんうまいけど、店をやる以上はうまいだけじゃ駄目だ。そこに感動がないと。

ちなみに使用したのはもちろん、この包丁。堺打刃物「英」の和牛刀。

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2万6千円の包丁で切った大根、超しみてた(^^♪



それから、昨日はこんな料理をつくった。

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奥がきんぴらごぼう。右がマグロの山かけ。左が厚揚げカルビ。

えっ? 厚揚げカルビって何かって? うん、雑誌レタスクラブの「男子キッチン」に出てたレシピ。厚揚げをそぎ切りしてフライパンで両面を焼き、焼き肉のたれをからめて食うおつまみだ。はじめてつくってみたが、こいつがかなりイケる。

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こいつは店を出したときに使わせてもらおう。厚揚げカルビ\300ってとこかな

ちなみに山かけもイケる。これね、づけマグロだから。つけ汁もワサビ醤油じゃなく、ちょっとかわった味つけにして、そいつを1時間ほど冷蔵庫に入れておいた。うん、わるくない。かなり上品な味に仕上がった。\500で出せるな。

きんぴらごぼうは、食感を大事にしたいから、普通のきんぴらより、あえて太く切りそろえた。これもよかった。味もいい。\300で出そう。

う~ん、われながら味つけの天才だなあ。ここは自信ある。ぼくの生命線だ。ほかは全然駄目だけど。盛りつけも駄目だし、レシピの数だってまだ少ないし、手際もわるい。料理に関してはまだまだだ。

だけど味つけには自信がある。それだけだけど、料理をやるにあたって一番の武器だと思っている。

おでん屋で働いて、カウンター(おでん前)に立たせてもらって、じかにお客さんの声を聴く機会をもらって、一つ学んだことがあるとすれば、それは食い物商売にとって最も大切なのは、結局は料理の味だってこと。

店主の人柄とか店の雰囲気とか、値段とか、そういうのも大切だけど、客がそれらに満足感をおぼえるのは、料理がうまいという最低条件が整っていることが大前提だ。これはもう絶対条件なのだ。

高級料理店の味はいらない。ざっくばらんな料理でいいから、とにかくうまさを追求する。大げさな話、うまければ、仮にそれが缶詰の具にちょっと手を加えただけのものでもいいのだ。客がうまいと思うものなら、それが正解なのだ。だけどただうまいだけでは駄目で、そこに感動がなければならない。感動的にうまいと思う料理を出せて、はじめて顧客満足度が高い店ができる。

だから、料理の腕を磨くことも重要だけど、まずはうまいものとまずいもの、あるいは客に出して感動してもらえるかどうかの判別ができる能力が必要になる。

料理本読んで実際につくって食べたり、あとは街に出ていろんな店を食べ歩いたり、そんな努力(のうちに入らないけど)が必要だ。

ちなみに先日、浅草にいって立ちよった店、いまいちだった。おでんはコンビニレベル(まあまあうまいけど感動的ではない)、ポテトサラダはインスタントな味、〆のお茶づけも、家で食う永谷園の茶漬けの方が断然うまい。しかも料理が出てくるのがやたらと遅かった。こんでたわけでもないのに。これじゃ、もう一度こようって気にはなれないって。

ちなみにこの店、アルバイトの接客も素人だった。日本酒の冷やを頼んだら「お酒は芋と麦とかありますが」っていわれたから。焼酎じゃねえって。

これも料理の味が感動的だったなら、「ああ、まだ慣れてないんだな」ってふうになると思う。

だからやっぱり料理の味なのだ、重要なのは。

そこをもっと磨いて、みっちーの武器にしよう。※客との絶妙なトークも秘密兵器として持ってるからね。



今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。よかったら、今までに紹介した「みっちーの晩飯」も、ぜひご覧になってください。

豚バラ肉のしょうが焼き
豚こま肉の肉じゃが
芋煮鍋
クリームシチュー
山梨名物 ほうとう
豚すき(豚肉のすき焼き みそ風味)
クリームチーズのわさび醤油和え&プロセスチーズの黒コショウがけ
豚肉とハクサイのみぞれ鍋
牛ひきのすき焼き風
肉豆腐
おでん(おでんの思い出)
回鍋肉(ホイコーロー)
おでん②(関西風)
ツナ磯(ツナ缶の磯辺焼き)
ゴーヤのトマト釜
ザンギ(唐揚げと似て非なるもの)
豚ロース肉のしようが焼き
タコポテ(タコ入りのポテトサラダ)
ゴーヤーチャンプル
新じゃがのポテトサラダ
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Comments

メゲないですねえ 
みっちーさん、こんにちは。

最近の記事を拝見させて頂いて、信じられないほどに厳しい出来事ばかりで、正直、心配していたのですが、今回のおでんの写真で、なんだか、安心しました。
とても、おいしそうです。様々な試練に、クサることもなく心荒むこともなく、みっちーさんがご自分の目標にむかって着実に歩みをすすめておられることが、写真を通して伝わってくる気がしました。

ところで、わが静岡には、「静岡おでん」という独特のおでんがあります。これが独特のものだ、ということに静岡人が気付いたのは、つい最近のことでしたが(笑)
我々静岡人にとっておでんという食べ物は、駄菓子屋さんでたべるもの、という感覚があります。もちろん飲み屋さんなどでも食べるのですが、幼少の頃、駄菓子屋でおやつ感覚で食べていた、そんな食べ物としてのイメージのほうが強いのです。
おでん汁は、何年も入れ替えることなく、継ぎ足しでずっと使うので真っ黒。そのなかに、串にさされたおでんダネが何日も煮込まれて、やはり真っ黒になっている、と、駄菓子屋さんのおでんとはそういうものでした。
清潔、とはいえなかったのかも知れませんが、それこそ味がしみ込んで、とても美味しかったのです。一本30円とか、50円とか。10円、なんてお店もありました(笑)

最近は、駄菓子屋さん自体が少なくなってしまったので、本来の静岡おでんを食べられるお店はほとんどなくなってしまいましたが、飲み屋さんなどで、そうしたかつてのおでんの復刻版みたいな感じで、静岡おでんを扱っているところは少なくありません。もし機会がおありでしたら、一度、お試しになってみてはいかがでしょうか。なにかのヒントが、もしかしたら隠されていたりして(笑)

長文失礼いたしました。
では、また。
静磨さんへ 
静磨さんですよね、お名前がなかったのですが……

正直いうと、心がすさみそうになる毎日なんです。
今ものすごく努力したくて、それなのに、その気持ちのぶつけ場所を失ってしまって、心が折れる寸前です。
だけどその心をどうにかなだめながら生活しています。
大丈夫、この状況にも必ず意味があるんだ、だから常に前向きに進んでいこう、そう思っています。

静岡おでん!
じつは今の店の店長が静岡出身で、静岡っていったら静岡おでんだ、みたいなことを聴かされていました。
だけど駄菓子屋でたべるものとは初耳です。静岡県人にとっておでんって、そんなにも手軽なものなんですね。驚きです。

余談ですが、じつはぼくも数年前、3カ月ほど静岡で働いていまして(といっても椹島からさらに奥に入った南アルプスの山小屋ですが)、静岡県在住の知人が何人もいます。さらに昔やっていたパン屋(移動販売)の本社が静岡にあって、その関係で静岡の人と接する機会がありました。そんなことから、静岡県とはけっこう縁が深いんです。さっきも書きましたが、店長も静岡ですし。

今度おとずれるときは、ぜひ、おでん屋にいってみようと思います。
いや、おでん屋をやろうと思うなら、すぐにでもいくべきですね。
時間がある今のうちに、いってみようかなあ……

では。コメントありがとうございました。
 
すみません、静磨です。
名前、入れ忘れたみたいです。テストだったら0点でしたね(笑)

店長さん、静岡の方だったんですか!
味のしみ込みにこだわるあたり、やはりあの真っ黒に煮込まれた静岡おでんにルーツがあるのかもしれませんね。

南アルプスは、赤石岳の稜線あたりまで、静岡県であり、実は静岡市内だったりします。だから現在は、千枚小屋も「葵区」で、政令指定都市ってことになります(笑)

それでは。
静磨さんへ 
やっぱり静磨さんでしたか。

千枚小屋が政令指定都市だというのは、当時もみんなけっこう笑い話にしてましたね。
千枚小屋どころか、あの辺は椹島ロッジにいたるまでの道さえ、かなりの山奥で、そこも静岡市だって教えられたときは、びっくりしました。
何せちょっとの雨で土砂崩れになるほどの道のわるさでしたからね。

とはいっても我が千葉市も、えっここも政令指定都市? って場所が大半をしめてますよ。
言葉づかいも田舎言葉ですしね。

では。
美味しそうです!! 
おでんだけじゃなくて他のお料理も良いですね!

私はいつもおでんの具を切っただけで
疲れ果ててしまって、おでんの時は一品と
ご飯になりがちなので、尊敬!!!

香川では「おでん」と言えば うどん屋さんで
食べるものですね。どこの讃岐うどんやさんでも
大体セルフサービスのカウンターの最初の
ところくらいにおでん鍋があって、一品60~90円
で売られています☆
tomoさんへ 
tomoさん、こんにちは。

いやいや、じつは後半の三品は、おでんの日とべつの日につくったものです。
ぼくもおでんの日は燃え尽きてしまって、+ポテトサラダくらいですませてしまいます。

香川県は一度旅行したことがあって(檀家になってる寺のお遍路ツアーで)、そのとき何軒かのうどん屋に入りました。たしかに、どの店にもおでんがありましたね。うどん屋の数にも驚きましたが、おでんが置いてあることにもびっくりしました。日本は広いですね。香川県、おもしろかったです。

 
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
職務経歴書の見本さんへ 
職務経歴書の見本さん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
現在、休止中のブログですが、またご訪問ください。

 
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